
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第126章 先生の◯◯
母親「五条先生、お世話になっております。」
「こんにちは。」
担当患者なのか、五条先生は立ち上がって母親に挨拶をし、
「ゆいちゃん、ママとおさんぽしてた?」
今度は女の子の目線にしゃがんで微笑みかける。
女児「うん!」
と、元気よく返事をした女の子が、
女児「ごじょうせんせ?このおねえさんだぁれ?」
突然キョトンとした顔でわたしを見る。
「先生の奥さん。」
えっ??
ニコッと答えた五条先生を今度はわたしがキョトンとした顔で。
女児「おくさん?」
「そう、奥さん。先生のお嫁さんだよ。プリンセス。」
女児「プリンセス!?わぁ〜…」
さっきの顔とは打って変わり、今度はキラキラした目でわたしを見る女の子。
「ちょっ、五条先生っ…」
母親「すみません、お邪魔して。ゆい、そろそろお部屋戻ろっか。」
女児「え~?」
母親「お部屋戻ってプリンセスの動画見よう?」
女児「みるー!」
プリンセスが大好きなのか、クルッと向きを変えて母親の手を引っ張って行く女の子。
母親はふふっと微笑みながら、"失礼します"とわたしたちに頭を下げて、女の子と去って行った。
