
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第124章 三度(みたび)
「え、あっ、お疲れ様です。」
なんで藤堂先生がここに?と困惑しつつ、
「あの、これ宇髄先生からです。」
預かった資料を工藤先生に渡すと、
工藤「ありがとう。じゃあ、ちょっとここ座って。」
って。
「えっ…?」
工藤「座って?」
急に嫌な予感が襲うも、たぶん、時すでに遅し。
言われたとおり椅子に座ると、工藤先生はドクターチェアに座って、
工藤「栗花落先生。というか、ひなちゃん。今の自覚症状教えてくれる?」
と。
「…夏樹か傑から聞いたんですか?」
チクられたと一瞬で悟り、思わず。
すると、
工藤「いいや、宇髄先生から聞いた。」
とのこと。
どういうこと…?
宇髄先生とは顔もそんなに合わせてないのに、気づかれてたの…?
眉をひそめて視線を左に外すと、
藤堂「ひなちゃん、早く症状を説明しなさい。誰から聞いたとかどうでもいいの。そもそもひなちゃんから聞いてないことがおかしいんだから。」
工藤先生の後ろに立つ藤堂先生がピリついているので、
「時々、胸が痛くなることがあります…。」
大人しく打ち明けた。
