
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第121章 渡米
そして、五条先生の家に着くまでの間、最初こそアメリカの景色を見ていようと起きていたけど、外も暗いし、いつの間にか眠ってしまって、
トントン…
「ひな、着いたぞ。」
五条先生の声で起きた時には家に着いていた。
「大丈夫か?荷物、もう中に入れてあるから。」
スーツケースはすでに車から降ろしてくれていたようで、身一つで車を降りる。
大きな庭の中に大きな家が建っているようなところ。
「こっちだ。」
五条先生について家の中に入ると、
「ひなちゃん……!!」
広い広いリビングにお母さんの姿が。
「よく来たわね。おかえり。」
「お母さん…。」
お母さんに抱きしめられて、また涙がじわっと滲んでくる。
「フライト疲れたでしょう?今、お茶淹れるわね。」
身体を離したお母さんは、そう言ってわたしの頬を柔らかい手のひらで包んでから、
「悠仁、あなたも。コーヒーでいい?ひなちゃんと座ってあげて。」
「ああ。」
五条先生とダイニングの椅子にかける。
