
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第121章 渡米
それから、頭が追いつかないまま五条先生と駐車場に向かい、
航空券を用意したのは藤堂先生……うん、そうだね……そうでなくても、最初から五条先生にわたしの全てが伝わっていないわけがない……よね……。
なんて考えているうちに、五条先生の車に到着。
「ひな先乗って。俺荷物積むから。」
と、先に助手席に乗り込んで、スーツケースを後ろに積んだ五条先生が運転席に乗り込むと、
「んふっ…!」
五条先生にいきなりギュッと抱きしめられた。
「どうした?久しぶりで緊張するか?」
さっきから無口だったわたしに五条先生が言って、
「ひなのことは全部先生方から聞いてた。よく頑張ったな、ひな。ひとりでえらかった。」
うんと優しい声で頭をなでられて、
「……ぅ、ぅぅ……うわぁ〜ん!!!」
五条先生の胸の中で、子どもみたいにわんわん思いっきり泣いた。
