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だから愛して 「改訂版」

第1章 だから愛して 「改訂版」

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 わたしは、毎日なんども、わたしはほんとに、セックスを先生としたいのか考えていました。
 先生の、女性に対する考えかたや、セックスの考えかたを思うたびに、やっぱりセックスを先生としたいと思うのです。
 過度な期待もしないようにしていました。
 でもどうしても、先生はどんなふうに、セックスをしてくれるのだろうかと想像するのです。
 期待するなというほうが、無理です。
 そのうち、先生に任せればいいんだと思うようになりました。
 先生なら、優しくセックスをしてくれると思ったからです。
 先生なら、気持ちよくしてくれると思ったからです。
 先生なら、嫌なことは、絶対にしないと思ったからです。
 そう思ったら、スッと気持ちが軽くなりました。
 これなら、明るい顔で、先生の家に行けるわ。
 土曜日の、三時に先生の家に行きました。
 「こんにちは」
 「いらっしゃい」
 先生は、ほんとに優しくわたしを迎えてくれました。
 コーヒーを淹れてくれまして、セックスのことは話さずに、わたしが書きたいと思っている小説のことを、おもに聞いてくれました。
 終わったら、焼き肉を食べに行きましょう、と言ってくれました。
 「三崎さんは
  焼き肉でいいですか?」
 「はい
  大好きです」
 「何から
  食べましょうか」
 「タンとハラミが
  好きです」
 「タン刺は
  食べられますか?」
 「あまり
  食べたことはありませんが
  食べたいです」
 「決まった
  楽しみだなあ」
 そんな話をしていましたら、先生が、
 「三崎さん
  シャワーを浴びてください
  パジャマを
  用意しています」
 と言いました。
 わたしは、シャワーを浴びて、パジャマを着ていました。
 先生もシャワーをすまし、同じ柄の男性用のパジャマを着まして、わたしの手をとり、二階につれていってくれました。
 先生の家の二階に上がるのは、はじめてです。
 布団が敷かれていました。
 わたしは、布団が敷かれているのを見まして、ちょっとドキドキしてしまいました。
 いよいよセックスをするんだなと思ったのです。
 嫌だと思ったわけではありません。
 恥ずかしいと思ったわけでもありません。
 やはり、期待と緊張をしているのでしょうか。
 この、ドキドキは、期待と緊張からのものでしょう。

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