
❇️片暉の残照❇️
第19章 赤と青の欲望
コーテルはマシュマロ菓子を抱え…公務室に戻った。
可愛い白い容器に入った薄ピンクのマシュマロが…なんだか愛しく感じたのだ。
「そう言えば――――…あの娘…こんなドレスを着ていたなぁ…」
コーテルは初めて参加した晩餐会で一緒に踊ったハジロ公爵家の令嬢の事を思い出していた。
白いドレスが裾に広がるほどピンクの色をつけ…まるで彼女じたいが花びらの妖精のようだった。
「///彼女は…僕のリストには…名前がない――――…もしかして…ロミお兄様の方に?」
自分のシワの入ったリストを再び見つめため息をついた。
あの日から――――コーテルはテイスとは一度もあっていない…。
