
❇️片暉の残照❇️
第13章 初めての晩餐会
しかし、そんなじゃれあいも挨拶にくる貴族や王族の声かけにフワッと掻き消されてしまった。
お兄様もロミ様の後ろに着く仕事に戻るようで――――手を振って私の側から離れた。
無邪気に笑っていても――――ロミ様もサンドラ様も立派な王位継承上位の王族…
来賓の相手は晩餐会中続くらしい。
しかも、ロミ様とサンドラ様の周りには…きらびやかな女性が沢山群がり…次から次へと声をかけられる。
「ロミ様もサンドラ様も相変わらず…凄い女性達の数ね――――…婚約者候補が大勢いるのも考えものね」
二人の状況を見ていた私の隣でお母様はため息をついた。
「あの――――まだ、お二人はご婚約などされないのですか?」
「そうねぇ……今の王…レンティス王が自由結婚を掲げているから、政略結婚とか継承有利婚など無理矢理に出来なくなったのよ。
だから、婚約者リストはあるけどロミ様やサンドラ様の意思を尊重し…急がせないことにしているのよ」
「へぇ~……///そう言うレンティス王は…ご結婚は?」
その言葉に――――お母様は少し困惑した顔を見せた。
「…レンティス王が幼い頃に毒殺されかけたのは知ってる?
それも…一回や二回じゃないのよ…
そのせいか…お世継ぎの出来ない体になってしまったらしいの――――」
毒殺されかけ…奇跡的に助かったとは聞いた――――…
「では――――…お体は?大丈夫なのですか?」
あの優しいレンティス王の事が心配で聞くと、お母様は優しく微笑んだ。
