
❇️片暉の残照❇️
第13章 初めての晩餐会
「バラの…香り?――――いや、そんなものは…香ってなかったはずたが?」
お兄様は自分の手袋を鼻に近づけるも香りなど感じられる小首をかしげる。
もちろん、サンドラ様も…。
そんな様子を見てロミ様がハンカチを取り出し二人の鼻先に近づける。
「///あ~…俺だけバラの香り付きだったみたいだ……ごめんね?二人とも」
「は?ロミ――――…」
「はあ゛?――――意味分かんねぇ~」
なんか三人で盛り上がってるなぁ…バラの香りって…
「おい!テイス――――!バラの香りってなんだよ…こいつだけ特別か?」
サンドラ様が睨みながら私にバラの香りについて聞いてきた!
「あ――――バラの香油と一緒に巾着に入れていたので…その移り香だと思います!
とあるメイドさんからハンカチを借りたので…そのお返しに手の肌荒れ防止にと香油を差し上げたくて……って、皆さん…どうされました?凄い陰ったお顔をされてますけど…」
