テキストサイズ

❇️片暉の残照❇️

第13章 初めての晩餐会


「――――は?…お前ももらったのかよ…」


ほっこりしていると、少し不機嫌そうな声がロミ様の後ろから聞こえ…私たちはそちらへ目を向けた。


「!?サンドラ様」


お兄様とロミ様の他に――――サンドラ様までもその場にいるとなると…ちょっとした注目の的である。


お父様とお母様も少し困惑ぎみにこちらの様子を伺っていたけど――――…知り合いの方に声をかけられ、少し離れた場所で談笑を始めた。


「ご、ごきげんよう――――サンドラ様!」


私は慌てて挨拶をすると、ロミ様の胸元の刺繍のハンカチを見て「チッ!」と舌打ちをした!


「サンドラ様――――…テイスから貰った髪結のリボンはお気に入りなのですか?今回も着けていておりますが…」


お兄様はサンドラ様に見えるように手袋をはめ直すと「へぇ~」と、高い位置で結わえているリボンを見て真顔になる。


「はあ゛!?」


サンドラ様はお兄様の手元を見て更に眉間にシワを寄せる。


「まぁ、まぁ…テイスのお礼の気持ちだ、このバラの香りと共にありがたく受け取ろ?」


ロミ様がお兄様とサンドラ様の間に入り仲裁をしたが“バラの香り”に今度は二人が反応した。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ