
❇️片暉の残照❇️
第13章 初めての晩餐会
私は渡したときのサンドラ様の反応を思いだし「へへへ」と、笑った。
「ええ――――でも、その場で長い髪をそのリボンで結わえてくださいました。それと――――…この間のお茶会の時も着けていてくださってました!」
自分の作ったものが、使われるのはとても嬉しく――――…暖かい気持ちになる。
「では、俺も――――早速使わないといけないな」
ロミ様はそう言うと、胸元にあったハンカチを取り出すと私のハンカチをそこに挿した。
それも、刺繍が見えるように胸元のポケットに飾る姿に私はオロオロとしてしまう!
「ん――――、似合ってるじゃないか…」
お兄様は渋い顔でロミ様の胸元のハンカチの刺繍を見て呟いた。
なんか、可愛いお兄様にほっこりしてしまう。
