
❇️片暉の残照❇️
第13章 初めての晩餐会
「ちょっ、ちょっと…テイス――――ロミ様にも…?」
「ん?“にも…”ってどういう意味だ!?」
すると、自分だけが刺繍の贈り物をもらったと思っていたお兄様が手袋を見せガックリしていた。
「へぇ~メルトは手袋に刺繍かぁ……残念だったな自分だけじゃなくて」
私はお兄様が何故ガックリしているのか分からず…
「ロミ様だけでなく――――先ほど王様にドレスのお礼にとプレゼントいたしました!早速、お顔の横にあった髪を刺繍入りのリボンで結わえてくださいました!」
二人とも、奥でまだ謁見の続きをしている王様の方を確認する。
すると、髪を結わえている姿に「――――へぇ~」と、低めの声でうなずいた。
「それと――――」
「え!?まだ、他に渡したのか!?」
お兄様の切羽詰まった声にビックリしながらも…もう一人渡した相手を述べる。
「え…ええ――――普段使いのドレスのお礼にと…サンドラ様にも…刺繍入りのリボンを差し上げました…」
「「は!?サンドラ様にも」」
うわ!ロミ様とお兄様がハモった!?
「――――へ、へぇ~…しかし、サンドラの事だ…宝石以外は受け取らないんじゃないか?」
