
❇️片暉の残照❇️
第13章 初めての晩餐会
「おいおい――――俺がテイスを誉める言葉がなくなってしまったじゃないか…。この、シスコンは…」
「うるさいなぁ…ロミ様は他のご令嬢を誉めるのに忙しいだろ?そっちに行けよ」
お兄様とロミ様の会話に「へへへ…」と、笑ってしさまう。
「あっ!そうだ――――…ロミ様に渡すものが…」
私はバラの巾着から白いハンカチを取り出した!
「ん?これは――――なんだい?テイス…」
ロミ様は受け取ったハンカチを見て…小首をかしげる。
「///ここに…運ばれたときに…心配をかけてしまってので…そのお詫びといいますか…お礼をしたくて!ハンカチにイニシャルを…刺繍したのですが……」
「えっ!俺の――――イニシャル?うわ!本当だ!しかも…ピンクゴールドの糸で!?うわぉ!可愛い…///テイスありがとう!大事にするね――――それに、いい香りがする…バラの香りだ!」
巾着に一緒にいれていた香油の香りが移ったのだろうか…
そういえば、王様も“いい香りがする”と言っていた…。
