
❇️片暉の残照❇️
第13章 初めての晩餐会
「まぁ、素敵なリボン…この刺繍はテイスが?」
「はい!ドレスのお礼をしたくて…でも日にちも無くて…こんなモノしか作れなくて…」
「大丈夫だよ――――テイス…要は気持ちなのだから」
お父様は微笑みながら挨拶の列に並ぶと――――…「気に入ってもらえるといいね」と囁いた。
列が進むにつれ――――…王様の姿がハッキリと見えるようになった。
「///うゎ――――王様…綺麗!」
先日、ロミ様も公務室で会ったときとは別人のような…
王冠姿の王様にため息が出た…
長く美しい黄金の髪はいつにもなく艶やかで、整ったお顔を更に美しく見せた。
玉座の前に立ち、来客一人一人と挨拶し――――貢ぎ物は隣にいるポルギさんが受け取り、後ろの使用人に渡す。
予想はしていたが――――…直接王様が受けとることはないと分かり…少しガッカリした。
しかし、ドレスのお礼は絶対したい!
