
❇️片暉の残照❇️
第13章 初めての晩餐会
お父様の執事ジムさんが開場の開始を教えてくれると、「さぁ、行こうか」と、手を差しのべられる。
お父様の手は大きくて――――暖かくて…安心した。
「テイス、緊張するとは思うけど楽しみましょう」
お母様がそっと背を押してくれる。
「はい――――…お父様、お母様!」
私たちは部屋を出て――――大きな廊下を渡り、会場でもある王宮の大広間へと向かった。
東、客室棟から大広間へ続くアーチを抜けると…目の前には続々と入場する大勢の貴族に早くも圧倒されてしまう!
「こ…これが――――晩餐会…」
入り口の人の多さで…すでに帰りたい気分になるが、お父様の手はしっかりと私の手を掴んで離さない…。
