
ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
「敵の密偵を利用すること。この計略はすでに動いておりまする。――上々じゃな、フウ」
ゲンの呼びかけに、フウは僅かに笑いました。
「そしてもうひとつ、別の計略の種を巻いておきました」
「種? どんな・・・・・・」
「美人計――」
「美人?」
「さよう。敵の将軍はうだつの上がらぬ男だとの話。そのような男は美しい女に弱いもの。その弱点を突くのが美人計でございます」
ピスティはゲンの顔を見ました。眼帯をつけていない右目には、いったい何が見えているのでしょうか。
「反間計と美人計。この二つの計略で、まずは敵の動きを鈍らせるのです。敵が動けずにいる間こそが好機。その隙に、われわれは敵の本陣を叩くのです」
ゲンの知恵は、まるで悪魔のようです。そんなゲンの言葉に、ピスティは呆気に取られていましたが、我を取り戻して尋ねました。
「しかし、敵の本陣がどこにあるのかわからない。ここから見える限りだと、城下街の東に本陣らしいものが見えるけど、あんなに分かりやすく本陣を置くかな」
「ご安心なされ。敵の本陣の場所は、すぐに知れましょう。美人によって・・・・・・」
ゲンの呼びかけに、フウは僅かに笑いました。
「そしてもうひとつ、別の計略の種を巻いておきました」
「種? どんな・・・・・・」
「美人計――」
「美人?」
「さよう。敵の将軍はうだつの上がらぬ男だとの話。そのような男は美しい女に弱いもの。その弱点を突くのが美人計でございます」
ピスティはゲンの顔を見ました。眼帯をつけていない右目には、いったい何が見えているのでしょうか。
「反間計と美人計。この二つの計略で、まずは敵の動きを鈍らせるのです。敵が動けずにいる間こそが好機。その隙に、われわれは敵の本陣を叩くのです」
ゲンの知恵は、まるで悪魔のようです。そんなゲンの言葉に、ピスティは呆気に取られていましたが、我を取り戻して尋ねました。
「しかし、敵の本陣がどこにあるのかわからない。ここから見える限りだと、城下街の東に本陣らしいものが見えるけど、あんなに分かりやすく本陣を置くかな」
「ご安心なされ。敵の本陣の場所は、すぐに知れましょう。美人によって・・・・・・」
