
ここから始まる物語
第22章 最後の戦い
ゲンは、扇の先をライに突きつけました。
「ここはピスティさまの抱える心配を、もっときちんとお聴きするべきじゃ」
「わかっただよ。ピスティさまの話なら、いくらだって聴くだよ。――ピスティさま、いったい何を心配してるだか」
ライは反り返らせていた体を戻すと、まん丸い目をピスティへ向けました。
「うん。さっきも言った通り、敵は今、作戦を立てている最中なんだと思う。でも、敵は街の中がどんな様子なのかわからない。だから、作戦を立てるために、とくに塀にの守りに付かせている兵士たちの配置を知りたがっているだろう。おそらく、隊長各の兵士の性格なども、だ。つまり――」
街の中には、敵の密偵が紛れ込んでいるかもしれない――とピスティは言いました。
「密偵だって?」
ライは驚いたのか、目を向いて大きな声を出しました。が、ゲンとフウは、声ひとつ出しません。
「ピスティさま。その通りでございます。さすがですな。こういうことなると冴えていらっしゃる」
「そんなことはないけれども・・・・・・」
ピスティは頭の後ろをかきました。それほど冴えてはいなけれども、幼いころに戦争ごっこをよくやっていたので、自然とそんな考えが浮かんだのです。
ともかく、敵の密偵が紛れ込んでいると考えると、うかうかとしてはいられません。
「ゲン、どうしたらいい。密偵に街の中の情報を持ち帰られたら、弱点を突かれてしまう」
「落ち着かれませ。それについては、すでに手を打ってありまする」
「手を? いったいどんな」
ピスティが尋ねると、ゲンは、ふふふふ、と不気味に笑いました。
「ここはピスティさまの抱える心配を、もっときちんとお聴きするべきじゃ」
「わかっただよ。ピスティさまの話なら、いくらだって聴くだよ。――ピスティさま、いったい何を心配してるだか」
ライは反り返らせていた体を戻すと、まん丸い目をピスティへ向けました。
「うん。さっきも言った通り、敵は今、作戦を立てている最中なんだと思う。でも、敵は街の中がどんな様子なのかわからない。だから、作戦を立てるために、とくに塀にの守りに付かせている兵士たちの配置を知りたがっているだろう。おそらく、隊長各の兵士の性格なども、だ。つまり――」
街の中には、敵の密偵が紛れ込んでいるかもしれない――とピスティは言いました。
「密偵だって?」
ライは驚いたのか、目を向いて大きな声を出しました。が、ゲンとフウは、声ひとつ出しません。
「ピスティさま。その通りでございます。さすがですな。こういうことなると冴えていらっしゃる」
「そんなことはないけれども・・・・・・」
ピスティは頭の後ろをかきました。それほど冴えてはいなけれども、幼いころに戦争ごっこをよくやっていたので、自然とそんな考えが浮かんだのです。
ともかく、敵の密偵が紛れ込んでいると考えると、うかうかとしてはいられません。
「ゲン、どうしたらいい。密偵に街の中の情報を持ち帰られたら、弱点を突かれてしまう」
「落ち着かれませ。それについては、すでに手を打ってありまする」
「手を? いったいどんな」
ピスティが尋ねると、ゲンは、ふふふふ、と不気味に笑いました。
