
ここから始まる物語
第11章 幸せの終わり、不幸の始まり。
女は封筒を受け取ると、それを袂にしまいました。
「ありがとうございます。このお手紙、私は一生大切に致します」
女は頬を桃色に染めています。
「本当にありがとうございました」
女はもう一度お礼を言うと、今度こそその場から立ち去ったのでした。
いったい、なんだったのでしょうか。ピスティには理解できませんでしたが、とりあえず、この場はおさまりました。
「王さま、恐れ入りますが、あまり軽々しい行動はお控えなさった方がいいかと・・・・・・」
門番は、心配そうな顔をしています。
「そうだね。今度からは気をつけるよ」
ピスティは苦笑いを浮かべながらそう答えたのでした。
が、すでに破局への一歩は踏み出されていたのでした。
※
会議室を追い出されたレナは、言われた通りに庭へ出て花を眺めていました。
ピスティの言った通り、庭の花は綺麗なものでした。色とりどりの花が、地面に、あるいは壁を這う蔦に、そこらじゅうに咲いているのです。
しかし、それを眺めていても、そう長い時間は楽しめません。なにしろ一人です。誰かがいればお話しなんかをして、もっともっと長い時間を楽しめたかもしれませんが、一人ではすぐに飽きてしまいます。もしもピスティが一緒にいたら最高に嬉しいのですが、あいにくピスティは会議の真っ最中です。呼んでくるわけにはいきません。
仕方なく一人で花を眺めるうちに、とうとう夕方になってしまいました。
城の中からは、会議の席にいた家来たちが、ぞくぞくと出てきます。ということは、会議が終わったところなのでしょう。ならばピスティも自由のはずです。
なんだか待ち遠しくて、レナはピスティに会おうと城の中へ戻ろうとしました。
しかし、です。
「ありがとうございます。このお手紙、私は一生大切に致します」
女は頬を桃色に染めています。
「本当にありがとうございました」
女はもう一度お礼を言うと、今度こそその場から立ち去ったのでした。
いったい、なんだったのでしょうか。ピスティには理解できませんでしたが、とりあえず、この場はおさまりました。
「王さま、恐れ入りますが、あまり軽々しい行動はお控えなさった方がいいかと・・・・・・」
門番は、心配そうな顔をしています。
「そうだね。今度からは気をつけるよ」
ピスティは苦笑いを浮かべながらそう答えたのでした。
が、すでに破局への一歩は踏み出されていたのでした。
※
会議室を追い出されたレナは、言われた通りに庭へ出て花を眺めていました。
ピスティの言った通り、庭の花は綺麗なものでした。色とりどりの花が、地面に、あるいは壁を這う蔦に、そこらじゅうに咲いているのです。
しかし、それを眺めていても、そう長い時間は楽しめません。なにしろ一人です。誰かがいればお話しなんかをして、もっともっと長い時間を楽しめたかもしれませんが、一人ではすぐに飽きてしまいます。もしもピスティが一緒にいたら最高に嬉しいのですが、あいにくピスティは会議の真っ最中です。呼んでくるわけにはいきません。
仕方なく一人で花を眺めるうちに、とうとう夕方になってしまいました。
城の中からは、会議の席にいた家来たちが、ぞくぞくと出てきます。ということは、会議が終わったところなのでしょう。ならばピスティも自由のはずです。
なんだか待ち遠しくて、レナはピスティに会おうと城の中へ戻ろうとしました。
しかし、です。
