
菜摘と瑠花の日常♪
第4章 修学旅行2日目
数分前とは明らかに違う二人の沈黙の中で、手を繋いだまま車窓に流れる夜景を見る。
横浜を通過してからは車窓が見にくく、今日のたくさんの出来事に疲れてしまった二人はお互いに寄りかかるように眠りに落ちた。
「菜摘!瑠花ちゃん!」
菜摘は誰かに揺すられる感覚に気付き、目を覚ますと、後ろから手を伸ばしていた紗南が少し怒ったような顔をしている。
「ん…?紗南…?何…?」
「ホテル着いたよ」
「あ…ありがと」
紗南はすぐに離れていって、小さな声で何やら舞ちゃんと話しているようだ。
気になるけど…まずは寝起きの悪い隣の人を起こさないと…。
「瑠花、ホテル着いたよ」
「……」
「瑠花、起きて」
「……」
…起きない…。
さすがに朝の技は二人きりじゃなきゃ使えない。
可愛い声を他の人に聞かせるわけにはいかない。
「瑠ー花ー」
肩を揺らすとむにゃむにゃ…可愛い…。
皆が続々と降りようと準備をしている。
このざわざわのうちなら…。
