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菜摘と瑠花の日常♪

第4章 修学旅行2日目




鎌倉を出発するまで、ほとんど瑠花と菜摘の間に会話はなかった。


ただ、ずっと手を握ったまま、静かに歩いた。


瑠花も、いつも強気で明るく話している菜摘の異変に気付いて話しかけないでいた。




バスに乗り込んで、菜摘は酔いやすい瑠花をそっと窓側に先に座るよう促す。

「ありがとう」

瑠花は小さな声で菜摘に伝えた。



バスの中は皆が楽しそうにしているが、二人は静かに手を握ったまま。

少しずつ窓の外は暗くなってきた。


もうすぐ横浜のあたりを走って、ホテルへ向かっていくだろう。



夜景、楽しみにしてたのに。
そもそも夜景見られるのはバスからだけなんて、計画表全然見てなかったな…。
しかもこんな気持ちじゃ…。

菜摘はなんだか泣きそうになって、瑠花と握っている手を見るように俯く。




「菜摘」

隣に座る瑠花から小さな声が聞こえた。

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