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菜摘と瑠花の日常♪

第4章 修学旅行2日目



瑠花は横にいる菜摘より、舞ちゃんと紗南の方が気になるらしく、そちらばかりに目がいっている。

そんな状況にもやっとした気持ちを抱いた菜摘は、強く瑠花の手をとる。


「瑠花、行こう?」

「えっ…、うん!」


瑠花は驚いた表情を見せたが、すぐに握られた手をちらりと見て、顔を赤く染めた。


きっと瑠花は私の気持ちなんてちょっとも分かっていないんだろうな、なんて菜摘は思い、ちょっとだけ悔しくなって、握る手の力を強く込めた。

それと同時に、瑠花に必死で、つい嫉妬深くなってしまう自分にも複雑な気持ちを抱いた。



無言で手を繋いだまま、ぞろぞろとクラスの皆と続いてお寺まで着く。


お賽銭を投げるために握っていた手を離すと、何故か不安な気持ちにかられる。

いつまで瑠花は私のことを好きでいてくれるのかな…。
こんな私の気持ちを知ったら嫌になるかな…。

もやもやした気持ちを追い払うように、仏さまに手を合わせた。



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