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邪恋の爪痕と片恋の彼

第8章 知らない自分


「野田――――…が、死んだ日…?いや…違うな……」


俺はそばで心配そうな顔の真壁に笑って見せた。



「じゃぁ…いつからですか?」



そう言われると……グッと…心臓が痛くなる。



「――――…テレビ…捨てた頃かな?」



「は?――――話の流れが分からないんですけど…テレビ?は?」


真壁はどうにか理解しようと俺の話を気にかれてくれるが…意味が分からず不機嫌そうな顔になる。


「あ――――…、悪い…。

野田の葬儀って…俺たち出席もできなければ関わることすら出かなかったじゃないか…」


「ええ――――…報道陣が凄かったって…部長もいってましたしね…」


野田夫婦の葬儀は事故の約1ヶ月後に行われたが…


その時は事故の犠牲者葬儀が頻繁に執り行われていて報道陣が至るところで被害者家族を取材していた時期だった。


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