
邪恋の爪痕と片恋の彼
第6章 戻らない日常
「――――落ち着いたら、ご家族から連絡が来ることになっているが…今回は本当に残念でならない。
野田の分も、俺たちは仕事を頑張ろう――――…
じゃぁ、野田の抱えていた仕事の分担だが――――…」
――――なんだよ…それ…
深刻な面持ちだったのは…最初の5分ぐらいで、後は野田の仕事を割り振られ――――…「頑張ろう」と…通常業務に皆が散っていった。
――――何を…頑張れば…いいんだよ…。
俺は、野田が担当していた仕事の一部を広げ――――…頭が真っ白になる。
「無理だ――――…俺は…」
「境井さん――――…」
俺は、後ろから話しかけられハッと我に返る。
「真壁か――――…な、なんだ?」
「御船さんが…来ています」
振り替えると御船さんがペコリと頭を下げる。
