
狼からの招待状
第1章 幻都
スラングをわめきながら、人種特有の体臭と安っぽい男性用香水の混じった匂いを残して、小公園を抜けるグループ。(チャンミン)濃い金髪、ひときわ背が高く、ひょろりとした若い男…(似てるな)…田舎なら、とっくに死んでいる連中だった。都会で、その日暮らしに甘んじる─。
ふっと何かの気配を感じ…、等身大の、少女人形が傍らに、立っていた。
「隣、座っていい?」人形が小花のような唇を開いて、口をきいた。「あ…いいよ」「ヒマなおじさん。ひとりで淋しそうね。話相手してあげようか」無造作に前に投げ出した足は、柔らかそうな革のブーツだった。
「親切は有難いけど、人と話す気は無い」「そう? 私が悩みを解いてあげるのに」苦笑いをすると、風が、人形の淡いいろの巻き毛をそよがす。
「きみ…この近くの教会知らないか」「通りの向こうよ」下を見ながら、つまらなさそうに云う…と─髪よりも淡いいろのドレスから、妙な香りが立ちのぼった。
「ありがとう…気をつけて帰って─」「おじさんこそ、お酒ほどほどにね。恋人が心配だろうけど」振り向くと、少女は消えていた。
ふっと何かの気配を感じ…、等身大の、少女人形が傍らに、立っていた。
「隣、座っていい?」人形が小花のような唇を開いて、口をきいた。「あ…いいよ」「ヒマなおじさん。ひとりで淋しそうね。話相手してあげようか」無造作に前に投げ出した足は、柔らかそうな革のブーツだった。
「親切は有難いけど、人と話す気は無い」「そう? 私が悩みを解いてあげるのに」苦笑いをすると、風が、人形の淡いいろの巻き毛をそよがす。
「きみ…この近くの教会知らないか」「通りの向こうよ」下を見ながら、つまらなさそうに云う…と─髪よりも淡いいろのドレスから、妙な香りが立ちのぼった。
「ありがとう…気をつけて帰って─」「おじさんこそ、お酒ほどほどにね。恋人が心配だろうけど」振り向くと、少女は消えていた。
