
狼からの招待状
第3章 火影
ボーイが一礼して、引き下がる。「兄さん。乾杯しましょう」シャンパンが、よく冷えている。「最終便ですよね」フルートのかたちのグラスを唇から離し、確かめるテミン。
「うん─」「時間が限られてるから、はっきり云いますよ。ユノ兄さんはチャンミン兄さんのそばにいれば、良い」
虚をつかれたらしいユノは、黙り込む─「僕、チャンミン兄さんだから、ユノ兄さんを諦めたんだし…」「ティム」「チャンミン兄さんが退院して、静養する時間…一緒にいてあげて」
─カウンターの端に若いカップルが、掛けた。バーテンダーが注文を訊く。
「チャンミンは婚約者がいる。─俺の役割は、終わった」「その婚約者は、チャンミン兄さんを幸せにしたんですか」「…」短い沈黙のあと、ユノは口を開く。
「チャンミンは自分の人生…責任持って、後悔しないで幸せになる…って、云って─」フルート型のシャンパン・グラスの影から、テミンはユノを見ながら、「─それは、綺麗事でしょう。チャンミン兄さんが幸せなら、ユノ兄さんも幸せなはず…」
「俺。幸せに見えない…?」「ジョンヒョン兄さんと同じに見える。いつも何か悩んでる」「ジョン…と?」「はい」
「うん─」「時間が限られてるから、はっきり云いますよ。ユノ兄さんはチャンミン兄さんのそばにいれば、良い」
虚をつかれたらしいユノは、黙り込む─「僕、チャンミン兄さんだから、ユノ兄さんを諦めたんだし…」「ティム」「チャンミン兄さんが退院して、静養する時間…一緒にいてあげて」
─カウンターの端に若いカップルが、掛けた。バーテンダーが注文を訊く。
「チャンミンは婚約者がいる。─俺の役割は、終わった」「その婚約者は、チャンミン兄さんを幸せにしたんですか」「…」短い沈黙のあと、ユノは口を開く。
「チャンミンは自分の人生…責任持って、後悔しないで幸せになる…って、云って─」フルート型のシャンパン・グラスの影から、テミンはユノを見ながら、「─それは、綺麗事でしょう。チャンミン兄さんが幸せなら、ユノ兄さんも幸せなはず…」
「俺。幸せに見えない…?」「ジョンヒョン兄さんと同じに見える。いつも何か悩んでる」「ジョン…と?」「はい」
