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狼からの招待状

第3章 火影

 「入隊、いつ?」「来月終わりです」「配属部隊は…」「まだ未定です。ミノ兄さんと同じ海兵隊…は、華奢なぼくじゃ無理」肩を竦めて笑う。
 ─ウェイトレスが、追加注文の料理を置きに来た。
 「良い匂い」チーズを絡ませたタッカルビを、テミンは口に運ぶ。
 「何年ぶり…かな? ティムと二人で食べるの」グラスを干して、「ユノ兄さんが転役したとき。 …だったかな」「そうか? …俺あの頃ひたすら食べて太ってた」テミンのグラスに、チャミスルを注いでやりながら云うと、「今夜もたくさん食べて…兄さん」ユノの碗に、チゲを山盛りにする。
 「ティムこそ…。入隊前の身体だし、…ま、軍隊は食事は旨いんだ」炊きたての米をスプーンで頬張る。
 「お代わりは自由ですか」「食べ放題。セルフサービスでね」「部隊鍋(ブデチゲ)も?」「あれは野営で、上官が作ってくれる。ドラム缶でね」「氷点下の夜営でも温まりそう…」
 鍋のなかを見て、「別のチゲを頼みましょうか」「俺は満腹、ティム…お前食べろよ。入隊前記念に奢るから」「それなら場所変えて…お酒飲みたい。─良いでしょ? ユノ兄さん」


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