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　裸のチャンミンは、楽しそうに笑いながら、姉妹の身体中に、刃物を突き立て、ほとぼしる血を浴びて、踊るように動きながら、さらに姉妹の裸体を、ハロウィンの生け贄さながらの血祭りにあげていった。（チャンミン）
　─冷風がユノの顔に平手打ちを食わせる。
　─ひゅうッ…、風を切り裂く、鋭い刃物の音─ひゅうッ……再び、聴こえた。（チャンミン）
　ずるずると、丸太のかたちの椅子から滑り落ち、テントの黒い幕が闇夜に溶けゆく─
　「スペードの女王は喪服の女王」銀の髪が風にあおられ、女の声が掠れ…ユノの耳もとに囁く……「スペードは死のカード」（チャンミン）「貴方のまわりは死人だらけ」（チャンミン）──
　骨まで凍るような風に乗って、馬の蹄の硬い音が聴こえてくる。（チャンミン）
　氷の感触の石畳に倒れかかるユノの鼻先を─掠めるのは…、黒いマント、光る大鎌…血染めの白いドレスの端切れ…、蹄は石畳に火花をおこすと、宙に舞い上がって行った……



　………………………………カウンターに掛けると、「ユノ先輩。僕らを祝福してください」振り向くと、婚礼をひかえたカップルが笑いながら、二人、立っていた。