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狼からの招待状

第7章 ブルー・クリスマス

 …「…リサさん」黄金のシャンパンが、注がれる。
 黒いセーターにエメラルド・グリーンのスカーフ、口髭のマスターがカウンターを挟んで、微笑みかけてくる。…
 「ありがとう」シャンパンの瓶のなか、黄金の箔が舞う─
 「お口に合うかな」
光沢のある革のパンツにブーツのリサは、クリスマスのシャンパンをお代わりする。
塩茘枝(ライチー)。柊のかたちの白い皿にのっている。黄金の縁取りが、ある。
 ステンド・グラス、壁いっぱいの…その窓の前を、ジャスミンがトレーを運び、行き来する。
 赤いリボンタイを銀のリングで留めたスタイルが、クリスマスらしかった。
 「リサさん」革のベストと薄紫のウェスタン・シャツのフライが、「ホワイト・レディ、作ろうか? …イブだし」チーフバーテンダーらしく、気が利いた注文を訊く。
 リサが微笑んで、頷くと、ハイネックの襟の銀の十字架が煌めき…ジムのオーナーが〈アンゲ〉の扉の鈴の音を鳴り響かせながら、教会仲間らしい一団と入ってきた。降誕祭ミサの帰りのようだ。
 カウンターのなかからマスターもフライも出て、クリスマスの挨拶をする。

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