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狼からの招待状

第7章 ブルー・クリスマス

  …脇の窓ガラスがノックされた。肩までの髪に朱色のタートルネック。Gジャンの青年が、笑顔をおくってくる……



  ──12月の薄暮のキャンパス。「お元気そうですね。フライお兄さん」「うん、リサさんは? 久しぶり…ね?」
 1年の終わりの月、朔風が、カフェテリアの窓の外を吹き過ぎてゆく。
 「今日は…? もう夕方になる」「うん。授業参観」熱いコーヒーとスナック…軽食のホットサンド、ベーグル。
 噛じりかけのベーグルを手にして、リサは笑う。
 「実は学校見学。来年の秋の新学期に社会人入学するの」「私の後輩になるのね」「そう。グレと俺の面倒見てね、リサ先輩」
 コーヒーを啜るフライの横顔に「専攻は何を…?」「家政学。料理と室内インテリアのエキスパートを目指す」「わぁ…」「伝説の家政夫になるの」Gジャンを脱ぎ、タートルネックの袖を捲り、力瘤を作って見せる。




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