
狼からの招待状
第7章 ブルー・クリスマス
「お背が高い…」「192、あります。20代で5センチ伸びた」照れくさそうに云って、一礼すると、学生会館のカフェテリアを出て行く。
─長い影法師…12月のキャンパスを過る……(─あ?)ロングヘアの秀でた容貌の青年が、手を振っている。(グレ)彼を取り巻く女性たちが、訝しげな視線を送ってくる。
ぼさぼさ頭が軽く会釈して、グレと女性たちとすれ違う。
片手でグレに挨拶を返し、椅子に座り直すと、リサは改めてのっぽの記者の名刺を見る。
`アントニー・チャン´─海外特派員。…(事故死のマダム…、眞樹乃夫人が可愛いがっていた少年は、行方不明です。ホストクラブで夫人と知り合ったようで)…(マダムは、ハリス氏と離婚協議中だった。その最中に異国の地で、急逝した)…(形だけの夫人の葬儀を済まし、ハリス氏はすぐに再婚した)……
ハリス氏は夫人の遺体を引き取らなかった。
…ホストクラブ。グレが知っているかもしれない。─行方不明の少年、マダムの年下の愛人。
(─金持ちの考えていることはわからない、異常な連中ですよ)ぼさぼさ頭ののっぽ記者のため息混じりの呟き。
─長い影法師…12月のキャンパスを過る……(─あ?)ロングヘアの秀でた容貌の青年が、手を振っている。(グレ)彼を取り巻く女性たちが、訝しげな視線を送ってくる。
ぼさぼさ頭が軽く会釈して、グレと女性たちとすれ違う。
片手でグレに挨拶を返し、椅子に座り直すと、リサは改めてのっぽの記者の名刺を見る。
`アントニー・チャン´─海外特派員。…(事故死のマダム…、眞樹乃夫人が可愛いがっていた少年は、行方不明です。ホストクラブで夫人と知り合ったようで)…(マダムは、ハリス氏と離婚協議中だった。その最中に異国の地で、急逝した)…(形だけの夫人の葬儀を済まし、ハリス氏はすぐに再婚した)……
ハリス氏は夫人の遺体を引き取らなかった。
…ホストクラブ。グレが知っているかもしれない。─行方不明の少年、マダムの年下の愛人。
(─金持ちの考えていることはわからない、異常な連中ですよ)ぼさぼさ頭ののっぽ記者のため息混じりの呟き。
