
狼からの招待状
第7章 ブルー・クリスマス
楽しそうに笑うテディ。
「全ての鍵はユノ兄さんが握ってる。キーパーソン」「…」
向かいの学生カップルは、指を絡めあう。
「この1年で、人がたくさん、亡くなりましたよね」「…うん」
「チャンミンさんの病気は、どうです」「良くなったり、…今は気分が荒れてる」テディはまた楽しげに笑う─「クリスマスの夜に、解決します」 学生カップルが出ようとして─、女性のピンクのショルダーバッグが、ユノにぶつかる…テーブルに視線を戻す…
スペードの女王のカードだけが、残っていた。
女子学生のグループが、サークル館に入っていく。
入り口の傍らに、小公園。隅の鉄製のベンチから、紙束が風に煽られて、舞い落ちる。
拾い上げる手─薬品で白っぽく荒れた指が、ページを繰る。
〝神戸の老舗靴屋・ハリス社長 再婚〟…白髪に黒ぶち眼鏡の老人が、顔を赤らめている写真…脇に若い女性。
表紙にEconomistの赤い文字。
「全ての鍵はユノ兄さんが握ってる。キーパーソン」「…」
向かいの学生カップルは、指を絡めあう。
「この1年で、人がたくさん、亡くなりましたよね」「…うん」
「チャンミンさんの病気は、どうです」「良くなったり、…今は気分が荒れてる」テディはまた楽しげに笑う─「クリスマスの夜に、解決します」 学生カップルが出ようとして─、女性のピンクのショルダーバッグが、ユノにぶつかる…テーブルに視線を戻す…
スペードの女王のカードだけが、残っていた。
女子学生のグループが、サークル館に入っていく。
入り口の傍らに、小公園。隅の鉄製のベンチから、紙束が風に煽られて、舞い落ちる。
拾い上げる手─薬品で白っぽく荒れた指が、ページを繰る。
〝神戸の老舗靴屋・ハリス社長 再婚〟…白髪に黒ぶち眼鏡の老人が、顔を赤らめている写真…脇に若い女性。
表紙にEconomistの赤い文字。
