
狼からの招待状
第4章 迷路 -MIROH-
「遅い時間だし…朝また俺、来ます」フライに頷き、「睡眠薬です。今夜は静かな聖夜を過ごしてください」グレは紅茶ポットを持ち上げる。
ホテルの高窓越しに、紅い光が点滅していた。
─翌朝。「昨夜は、何も食べられなかったでしょ」小さなクリスマスケーキ。海鮮スープ。ホットサンド…「コーヒー淹れます、目覚まして─たくさん食べてください」「二人ぶん、淹れて…。フライも飲んで─」「はい。昨夜よく眠れました?」ユノは曖昧に頷いた。
─クリスマスケーキをフォークで切り崩し、口に運ぶ。樅の木を型どったチョコレート、白いパウダーが粉雪のように振ってある。
「ユノ先輩」コーヒーを飲み、ホットサンドの包みを手にしたユノに、「覚えてますか、イブの宝くじ…」いたずらっぽく笑いかける。
「当たったんだ…」「いくらだと思います?」「億万長者─まさか─」 フライが告げた金額は、一般家庭の1ケ月分の生活費ほどだった。
「結構良い当たり金額でしょう?」フライの笑顔に連られて、ユノも少し笑った。
「ユノ先輩。宝くじも当たったし」「うん…」「…もうすぐ新年だし」「そう─だった…」「これからは、きっと良いことばかりですよ」
ホテルの高窓越しに、紅い光が点滅していた。
─翌朝。「昨夜は、何も食べられなかったでしょ」小さなクリスマスケーキ。海鮮スープ。ホットサンド…「コーヒー淹れます、目覚まして─たくさん食べてください」「二人ぶん、淹れて…。フライも飲んで─」「はい。昨夜よく眠れました?」ユノは曖昧に頷いた。
─クリスマスケーキをフォークで切り崩し、口に運ぶ。樅の木を型どったチョコレート、白いパウダーが粉雪のように振ってある。
「ユノ先輩」コーヒーを飲み、ホットサンドの包みを手にしたユノに、「覚えてますか、イブの宝くじ…」いたずらっぽく笑いかける。
「当たったんだ…」「いくらだと思います?」「億万長者─まさか─」 フライが告げた金額は、一般家庭の1ケ月分の生活費ほどだった。
「結構良い当たり金額でしょう?」フライの笑顔に連られて、ユノも少し笑った。
「ユノ先輩。宝くじも当たったし」「うん…」「…もうすぐ新年だし」「そう─だった…」「これからは、きっと良いことばかりですよ」
