
狼からの招待状
第4章 迷路 -MIROH-
缶入りスープを、温めたマグをテーブルに置く。
「夜はよく眠れます?」「変な夢みて、起きる…。うん…」はにかんで笑うユノ。
「チャンミンさんをお見舞いすれば、先輩、元気出ますよ」「あの病院行くの怖い気がして─」 乗客は全員死亡。運転手のミス、急カーブを曲がり切れず、下の道路にバスは転落、炎上……包帯の頭のチャンミンとイボンヌの笑い顔が、ユノの脳裏から消えない。
─お大事に…と告げて、フライが帰ったあと、グレからの手紙を開けた。
「まぼろしを見ただけですよ」軽く笑って、ユノを見つめた。
「あ、やっぱり、そう…?」少し頬を染めて、小さな声で恥ずかしげに云う。「自身の想像力や願望が」左手首のブレスレット、さらさら─と、音。
「まぼろしを作り出すこともあるんです」
「そう…」目の前の苺に照れ隠しのように、手を伸ばす。
「チャンミンが、精神科にかかってた話。したけど」「はい」「俺も若い頃、鬱病でカウンセリング受けてた」「今は─」「薬も飲んでない」「落ち着いてるんですね」
「夜はよく眠れます?」「変な夢みて、起きる…。うん…」はにかんで笑うユノ。
「チャンミンさんをお見舞いすれば、先輩、元気出ますよ」「あの病院行くの怖い気がして─」 乗客は全員死亡。運転手のミス、急カーブを曲がり切れず、下の道路にバスは転落、炎上……包帯の頭のチャンミンとイボンヌの笑い顔が、ユノの脳裏から消えない。
─お大事に…と告げて、フライが帰ったあと、グレからの手紙を開けた。
「まぼろしを見ただけですよ」軽く笑って、ユノを見つめた。
「あ、やっぱり、そう…?」少し頬を染めて、小さな声で恥ずかしげに云う。「自身の想像力や願望が」左手首のブレスレット、さらさら─と、音。
「まぼろしを作り出すこともあるんです」
「そう…」目の前の苺に照れ隠しのように、手を伸ばす。
「チャンミンが、精神科にかかってた話。したけど」「はい」「俺も若い頃、鬱病でカウンセリング受けてた」「今は─」「薬も飲んでない」「落ち着いてるんですね」
