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ぼっち─選択はあなたに─

第24章 モンブラン城の秘密

「あら、じゃあレイナ、うちで料理を習ってみる?」
「えっ」
「ザッハの屋敷の使用人たちの働くあてがないから、数人うちで雇うことにしたの。それでせっかくだし、料理教室を開こうと思ってね」
「料理教室? わ、私にできるかしら」
「この先スープしか作れないんじゃ厳しいかもね」
「うっ……わかったわ。じゃあ、お願いするわ」
「レシピェール、おらも参加する!」
「メキユは腕がいいんだからアタシのフォローをお願い。で、ユズリノはどうするの?」
「私はこの町の修道院に行くつもりよ」
「あら」
「もう一度、シスターへの道を歩もうと思って」

 そう和気あいあいと話すみんなを、ヒカルは遠目に見る。自分の歩む道を自分で決めることができて羨ましいと思った。

「ね、もちろんヒカルも参加するでしょ?」
「えっ? あ……ごめん。ちょっと散歩してくるね、ごちそうさま」

 ヒカルはその場にいられなくなり、慌てて宿屋を出た。こういう時は制限なく行動できるんだなと嫌になる。

「はあ……」

 これからどうしたらいいのかわからない。
 レイナに甘えてソルトの町に居続けるか、それともモンブラン城に行くべきか……。

「あれ? ヒカルじゃないか」

 行くあてもなく歩いていると、バットに声をかけられた。


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