テキストサイズ

ぼっち─選択はあなたに─

第24章 モンブラン城の秘密

「お……おらがクロードに勝ってしまったがら……ヒガルたちは危ない目に合ってしまっただ……」
「そんなっ……メキユちゃんのせいじゃないよ!」

 ガタンッとヒカルは勢いよく立ち上がった。

「アタシもそう言ったんだけどね、でも気が済まないみたいで。それなら美味しい料理をヒカルに食べさせてあげたら?って言ったのよ」
「メキユちゃん……」

 違うのに、全然違うのに。こうなってしまったのは、全部自分の行動が招いてしまったことなのに。

 そもそも彼らは純粋にバトルトーナメントを楽しみにしてきたのに、それを利用したのはザッハだ。そして今回の事件に巻き込んでしまった。

 ヒカルは自分の立場を思い出す。
 そういえば自分は魔女に『自分で行動を決められない』呪いをかけられている。
 最初にヒカルは『城に行け』と魔女に命じられた。しかし城に行かなかった。だからこうなってしまったんじゃないだろうか。

(私……このままここにいていいのかな……)

 自分がいるとまた誰かに迷惑をかけてしまうかもしれないし、誰かを傷つけてしまうかもしれない。

「ヒカル?」
「あっ……レイナ」
「もう、ヒカルってばボーッとして。ほら、レシピェールさんの作った特製オムレツも美味しいわよ。こんなに美味しい料理を出すことができれば、宿屋ももう少し客が入るんだけど」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ