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ぼっち─選択はあなたに─

第24章 モンブラン城の秘密

「ヒカル、おはよう。よく眠れたかしら?」
「おはようさん」
「おっはよー!」

 みんながそれぞれ声をかけてくれる。
 こんな賑やかな朝は初めてだ。

「おはようございます」

 席に座ろうとすると、ウラユが気を利かせて椅子を引いてくれた。
 その顔を見てヒカルは「あっ」と声を出す。

「次の町に旅立つ前に、ヒカルの顔を見れて良かったよ」
「またレイナとヒカルの漫才も見せてくれなぁ」
「スカウトの話も考えといてね」

 ヒカルは立ち上がる三人の顔を見て微笑む。
 もうお別れなのは寂しいが、きっとまたどこかで会えるような気がした。

「はい、また会えるのを楽しみにしてます」

 レイナと一緒に三人を見送ると、メキユが料理を運んできてくれた。

「ヒガル、おらの作った唐揚げ、沢山食べろ」
「あ……ありがとう、メキユちゃん」

 メキユとこうやって話すのは初めてだ。
 ヒカルはメキユの作った唐揚げを恐る恐る口に入れると、ジュワッと肉汁が出るジューシーな唐揚げに顔を綻ばせた。

「美味しいっ!」

 その一言を聞いて、メキユはパアッと喜ぶ。

「それ、メキユからのお詫びなんですって」
「お詫び? どうしてですか?」

 ユズリノの言葉に首を傾げると、メキユは俯いたままモゴモゴと口を動かした。


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