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ぼっち─選択はあなたに─

第18章 バトルトーナメント【6回戦】

「ハレル矢・第二章」

 ユズリノが続けてそう言い放つと、突然暗雲が垂れ込んだ。分厚い雲は会場全体に影を落とす。

「なんだ? さっきまで晴れてたのに……」

「……ん? なんだかよくわからない音が……メロディーが頭の中に流れ込んでくるっ……」

「おい、どうした? 大丈夫か?」

「歌わなければ……歌わなければ……」

 観客の一人が突然ブツブツ呟きながら立ち上がり、《禁断の旋律》を唄い始めた。

「おい、なんだよその歌はっ……心がざわつく……あぁ、駄目だ……歌わなければ……」

 正常だった者もやがて音に支配され《禁断の旋律》を唄い始める。その現象があちこちで起こり始め、メキユはどうしたらいいかわからなくなった。

『えっ……ちょっと皆さん! 急に歌い出してどうしちゃったんですか!? なんだかすごく不安になるメロディーですね……てゆか、急に暗くなりだしてやばいですよ、このままではシャドーがっ!……ああっ、でもまずは歌わなければ……歌いましょう、みんなで……!』

 ついに司会のユッキーメまでもが《禁断の旋律》に支配されてしまった。それを聴いたゲンブとウラユ、レシピェールとアバレセーラーも立ち上がる。
 
 そしてそれぞれの声は重なり、大合唱となってメキユを襲った。


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