
ぼっち─選択はあなたに─
第18章 バトルトーナメント【6回戦】
ゲンブの言うとおり、試合はすでに始まっており、ユズリノとメキユは開始からずっと睨み合ったまま動いていなかった。
メキユはまな板を握りしめながら、どう戦うか考えていた。防御をするにしても、この小さいまな板では矢を2、3本受けるのが精一杯だ。2回戦のような必殺技を使われたら避けるのは不可能。
素手で攻撃したとしても逆にやられかねない。
(だめだ、やっぱり父ちゃんの包丁がないと、おらなんもできねえ……)
「あぁん、やだもぅ! あの子まな板しか持ってないじゃない! アタシのフライパンと片手鍋貸してあげれば良かったわ」
レシピェールがメキユの心配をするが、もし借りたとしても弓使いのユズリノには勝てないだろうと誰もが思った。
「…戦わないの? それならこっちからいくわよ」
ユズリノはメキユの出方を待っていたようだ。
弓を引いて狙いを定めると、躊躇いもなく矢を撃ち放った。
メキユはまな板で防御するが、矢は左耳スレスレを通過していく。
「…っ!」
メキユの三つ編みが片方ハラリとほどけた。
「次は外さないわよ」
「!」
今のでメキユは確信する。
ユズリノは本気で自分を殺そうとしているのだということを。
メキユはまな板を握りしめながら、どう戦うか考えていた。防御をするにしても、この小さいまな板では矢を2、3本受けるのが精一杯だ。2回戦のような必殺技を使われたら避けるのは不可能。
素手で攻撃したとしても逆にやられかねない。
(だめだ、やっぱり父ちゃんの包丁がないと、おらなんもできねえ……)
「あぁん、やだもぅ! あの子まな板しか持ってないじゃない! アタシのフライパンと片手鍋貸してあげれば良かったわ」
レシピェールがメキユの心配をするが、もし借りたとしても弓使いのユズリノには勝てないだろうと誰もが思った。
「…戦わないの? それならこっちからいくわよ」
ユズリノはメキユの出方を待っていたようだ。
弓を引いて狙いを定めると、躊躇いもなく矢を撃ち放った。
メキユはまな板で防御するが、矢は左耳スレスレを通過していく。
「…っ!」
メキユの三つ編みが片方ハラリとほどけた。
「次は外さないわよ」
「!」
今のでメキユは確信する。
ユズリノは本気で自分を殺そうとしているのだということを。
