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だから愛して

第1章 だから愛して

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 たしかに、先生の言うような考え方をしていたのかもしれません。
 「でも女性の自立と
  セックスは
  直接結びつくのでしょうか?
  自立した女性は
  フリーセックスのほうが
  いいのでしょうか?」
 「そうではなく
  女性が
  セックスをしたいと
  思ったときには
  セックスを
  してもいいんだ
  ということです」
 先生が話してくれたのは、セックスをするのは、もちろん好きな人であるべきだけど、セックスをするのを、結婚する相手というように限定するのが、おかしいと言います。
 もし好きな人ができてその人とセックスをしたいと思ったときに、その人とは結婚できない状態だったら、女性はセックスをするのを諦めなければならないのですか。
 ましてや、セックスは女性が気持ちよくなるためのものなのに、その女性はセックスの気持ちよさを知ることができないのです。
 それは、理不尽だと言います。
 その女性が、可哀想だとも言います。
 「それを
  三崎さんは
  どう思いますか?」
 「よくわかります」
 でも三崎さんの書いている小説に登場する女性は、そんなときセックスをしない、という選択をする女性のように思えます、と言いました。
 結婚する相手としかセックスをしないという考えなのですから、そういうことになるのではないでしょうか、と聞いてきました。
 「そうですね」
 「私は
  それが違うと
  思っているんです」
 好きな人がいてその人とセックスしたいと思ったらセックスをすべきだと思います。
 好きな人とセックスしたいと思っているのに、その人とは結婚できないということで、セックスを諦める女性が、自立しているといえますかと、先生は強調しました。

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