
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第16章 何度でも、君に恋をする
でも、ちゃんと話して説得するしかないのだ。
だって私は、高校生で結婚だなんて……そんなのしたくないから。
「……ひぃくん。私、やっぱりまだ結婚はできないよ。だって私……まだ高校生なんだよ? 」
またひぃくんが大泣きしたらどうしよう……。
そんな事を考えてビクビクとしながらも、目の前のひぃくんに向かってハッキリとそう宣言した私。
「恥ずかしがっちゃって可愛いねー花音はっ」
ニコッと笑ったひぃくんは、そう言うと私の頬をツンッと突いた。
「ち……違うよ、ひぃくん……。私、恥ずかしがってるんじゃなくて……」
「大丈夫だよ、ちゃんと解ってるから」
いや、解ってない……解ってないよ、ひぃくん……。
私、全然大丈夫じゃないから……っ。
目の前でニコニコと微笑むひぃくんを見て、あまりの話しの通じなさに徐々に顔面蒼白になってきた私の顔。
「翔も花音も照れ屋さんだなー」
そんな事を言って、ハハハッと豪快に笑うお父さん。
……だから、違うってば。
何言ってるの? この二人……。
二人を見てドン引きする私は、真っ青な顔をしたまま大声を上げた。
「……本当に違うからっ! 私……まだ高校生なんだよっ?! 結婚なんてできるわけないでしょ……っ! やめてよっ、お父さんまでっ! 」
突然の私の大声にキョトンとした顔を見せたひぃくんは、フニャッと笑うと口を開いた。
「……そっか。花音は沢山エッチがしたいんだね? いいよ、いっぱいしようねっ」
ーーー!?
ひぃくんの放った言葉に、私の顔面がピクリと痙攣《ひきつ》る。
私が一体……いつエッチの話しをしたというんですか……?
それではまるで、私が性欲マシンの変態みたいじゃない……。
……なんて事言うのよ、ひぃくん。
私にはもう……ひぃくんの思考が全く解りません……。
