
美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜
第14章 煩悩はつまり子煩悩?
「そんな事ないよねー? 花音」
ーーー?!
突然私に向かって話しかけてきたひぃくんに、思わずビクっと震えてしまった私の身体。
チラリと斗真くん達を見渡してみると、皆が私に注目して視線を向けている。
「花音……? 」
何も答えない私に不安になったのか、途端に悲しそうな顔を見せるひぃくん。
ーーー?!
突然私の肩をガシッと掴んだひぃくんは、今にも泣き出しそうな顔をして大声を上げた。
「そんなに俺とエッチするのが嫌なの?! ねぇ……花音っ! お願いだから何とか言ってよー!! 」
ンなっ……?!
なっ、なっ、何て事を……。
ヒクヒクと引きつる顔面蒼白の私は、ひぃくん越しにチラリと周りを見渡した。
こんな場所で……その質問に答えろ……と……?
……勿論嫌じゃない……。
嫌じゃないよ、ひぃくん……。
でもね……周りをよく見て……。
ひぃくんの出した大声で、近くにいた知らない人達までもが何事かと私達を見ている。
こんな状況で……ひぃくんのその質問に答えろと言うの……?
そんなの無理だよ、ひぃくん……。
大衆の面前で何とも破廉恥な質問をされ、まるで拷問を受けているかの様な私。
今にも意識が遠のいてしまいそうな中、ボンヤリと見えるのは遂にポロポロと涙を流し始めてしまったひぃくんの顔。
ごめんなさい……。
来年からはちゃんとプレゼント用意するから……。
だからもう……許して下さい……。
ガクガクと揺れる頭の中で、私は何度も何度もただ繰り返し謝り続けたーー。
