
君と僕の世界(嵐)
第5章 遊園地デート
…今日は、翔ちゃんとのデートの日だ。
昼間からこうやって2人で出かけるなんてなかなか出来ることじゃない。
だからこそ、カップルっぽいことができるは嬉しい…。嬉しい、からこそ
素敵な思い出で終わらせたいんだ。
和也「…。」
翔「…。」
翔「…よし、わかった。行ってみて、不安だ、無理だって気持ちが消えなかったらすぐ帰ろう。約束する。」
翔「今回はかずの作詞をお手伝いしてるわけだし、かずが乗り気じゃなかったら意味ないから。何も言わずに誘った俺も悪いし。」
翔「だけど今日は…少しだけ…俺のわがままに付き合ってほしい。」
和也「…。」
条件は…悪くない。
俺だってもちろん翔ちゃんとカップルっぽいことをしてみたいし、ディズニーランドだって行ってみたい。
…それに…。
翔「…だめ、かな?」
和也「〜〜っっ」
そんな可愛い顔でお願いされて断れる奴がいるかよ!
和也「わ、わかった。行ってみる、行ってみるよ!」
翔「わぁ…っ!やったあ…!」
その返事を聞いて少し寂しげだった翔ちゃんの表情はまるでお花が咲いたみたいにぱあっと明るくなった。
…こういう時だけかわいいのはずるい、反則だ。
俺は緩む口元を誤魔化すように
サングラスと帽子を翔ちゃんの鞄に乱雑に詰めた。
和也「さ、行くなら早く行こう!時間なくなっちゃう!」
翔「ふふ、かずも楽しみ?」
和也「う、うるさいうるさい!バレそうになったらすぐ帰るんだからね!」
ほんとは翔ちゃんの手を引きたかったけど
やっぱりそんなことできなくて。
俺は寂しくなった右腕で大袈裟にこっちに来いとアピールをする。
翔ちゃんはそんな俺を見てニヤニヤと楽しそうに はいはい、と呟いた。
真っ暗な世界から1歩出れば
そこに広がるのは見慣れた大都会。
俺たちは知らぬ顔で歩き出す。
俺たちの、秘密のデートがはじまった。
