
君と僕の世界(嵐)
第2章 お忍びハワイ旅行
可愛い、猫なで声。
下唇を噛んで上目遣いで俺のことを見つめる。
和也「ちょっとね。」
オネダリ上手になったものだ。
そんな甘えん坊なところも悪くない。
俺はいつもこうやって翔ちゃんを許してしまうんだ。
翔「え〜…じゃあ、」
翔ちゃんはまるで天使が舞うようにくるりと俺の方を向くと
片方の手で頬を撫でながら優しく唇を重ねた。
和也「ん…っ」
翔「ふふっ…」
離した瞬間瞳に映るのは
夜景の光に照らされた幸せそうな顔。
また一本取られたみたいで悔しかったけど
そんな顔見せられたら誰だって笑顔になっちゃうよ。
翔「あ、笑った。これで許してくれた?」
和也「へへ…っまだ許してない」
そういえばまたキスをしてくれるだろうか。
翔「えー?」
翔ちゃんはそんな俺の下心なんてお見通しみたいだ。俺をわがままを言う子供みたいな目で見ては
期待通り何度も何度もキスをしてくれた。
オレンジ色の夜景に、柔らかい唇、大好きな香り。
まるで蜂蜜の中を泳いでるみたいに甘く、とろけるような時間。
いつまでもこの時間が続けばいいのに。
…ハワイに来て、何度思ったことか。
和也「…ん………翔ちゃん…?」
息継ぐ暇もないほどのキスが急に止まる。
もう終わってしまうのかと閉じられた瞼を開けると、
翔ちゃんはたぶん、顔を真っ赤にさせていた。
翔「……ごめん…これ以上は無理っぽい…」
首元を手で抑え、照れたような表情で俺から視線を逸らす。
多分…理性的なことだ。エッチなこと…考えてるんだ。
和也「ふ…っ」
二人きりだとあんなにドSくんなのに、
自分の理性を抑えなきゃいけない時はこんなにも可愛い表情をするんだなあ。
翔「なんだよ」
いつもは負けてばかりの俺だ。
今日くらいは上手になってもいいでしょ?
翔「…!」
俺から顔を逸らす翔ちゃんの頬をグイッと掴んで
強引にキスをする。
翔ちゃんの女みたいなかわいい吐息が俺たちの唇の隙間から微かに漏れた。
翔「ん…ハァ…っ」
余韻を楽しむみたいにゆっくりと唇を離す。
…恥ずかしさと動揺で火照ったような顔。翔ちゃんのこんな表情をみたのは初めてだ。
和也「これで許してあげるね」
翔「…っ!」
いいものを見させてもらった。
今日はこのくらいで勘弁してやろう!
