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君と僕の世界(嵐)

第2章 お忍びハワイ旅行


翔ちゃんに促され、俺たちは階段の1段目に腰を下ろした。

翔「ふぅ〜っ…。3人にはまたお世話になっちゃったねえ」

和也「いつも…気を遣わせちゃってるね。…ちゃんとありがとう、言わなきゃね。」

翔「んー。」

和也「ふふっ」

和也(…。あー…。気持ちいいなあ)

揺れるヤシの木に、足元を見ればゆっくりと歩くヤドカリの親子…それからこの幻想的な景色。

翔「…綺麗だね。」

そして隣には大好きな貴方。誰にも邪魔されない2人だけの空間。
まるで俺の理想の世界に飛び込んできたみたいだ。

和也「うん、とっても。」

翔「…。」

翔「ねえ、かず。」

和也「ん?」

翔「あれみて」

和也「…あれ?」

翔ちゃんが指さしたのは遠い遠い空の向こう。

ただずっとそこで光り続ける2つの赤い星だった。

和也「星…?」

翔「うん、星。」

翔「ちょうど俺らの真上にあって…なんか、運命感じない?」

和也「ちょっ…//なにロマンチックなこといってんだよ…笑っちゃったじゃん」

翔「えぇ?そう?ほんとにそうおもったんだけど。」

ハッとして少し恥ずかしくなったのか、翔ちゃんは眉をひそめながら下唇を噛んでみせた。
そのあと、また遠い宇宙を見上げながらひとつおおきなあくびをする。俺もそれがうつって真似をしたみたいに目をこすった。

翔「もう眠い?さすがに1日歩きっぱなしはつかれるね」

和也「翔ちゃんのがうつっただけ…まあ、疲れたけど…楽しかったし」

翔「ああ、それならよかった。」

翔「でも、こんな満点の星空の下で眠れたらきっと最高だろうなあ」

和也「…」

この星空の中で翔ちゃんと手を繋いで…眠りにつく。でも、ちょっと肌寒くなって、たまにふたり抱き合って、キスして、お互いの顔を見合って笑って…。
それはきっと、いや、絶対
幸せ以外の何物でもない。

だけど、だけどそしたら、

和也「星が…見えなくなっちゃうよ…。」

あんなに綺麗に輝く星たちも
キラキラと俺たちを照らしてくれるあのふたつの運命の星もぜんぶ
ずっとずっと目に焼き付けていたい。この瞬間、そう思った。

翔「…。」

翔「…プッ…。ロマンチックはどっちだよ」

和也「…うるさ…。」

翔「はいはい」

和也「…はぁ〜…。」

「…。」

沈黙も心地よいほどの穏やかな波の音が
俺たちの隙間を通り抜けていく。

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