
君と僕の世界(嵐)
第5章 遊園地デート
わざわざトイレに行くフリまでして…ほんと可愛いやつ。
そんなに俺の驚く顔が見たかったのかな?
それともこれも作詞のため?
でも、まあ、どっちでもいいんだ。
翔ちゃんが俺のことを考えて
俺のために
このお守りをくれたこと
その事実は変わらないんだもん
翔「あ、やっと笑った」
和也「えぇ?さっきからずっとこれだよ」
翔「ううん、なんか沈んでたもん。サングラス越しでもわかっちゃうよ、俺は。」
和也「ふーん、じゃあ取ってみる?」
翔「えっ…サングラス?」
和也「うん。ちょっと怖いけど…でも、もう暗いし、帽子も被ってるし。それにみんな、自分たちの世界に浸ってる。誰も俺たちなんてみてないよ」
翔「まあ…、それも、そうか。」
ほんとの理由は…最後に、翔ちゃんの顔をちゃんと見ておきたかったから。サングラスは暗いし、翔ちゃんの愛おしいほどコロコロ変わる表情の変化を目に焼きつけることができないんだ。
…そして何より、翔ちゃんに
今あんたの目の前にいる男は紛れもなく二宮和也だって…証明したい。
サングラスに手をかけゆっくりと顔を上げると
数時間ぶりに見る愛おしい二重と視線が重なった。
思考が働く前に、
2人の目じりは自然と可愛い子猫を見つけた時みたいに優しく垂れ下がる。
ああ、よかった。
そこにいるのはやっぱり大好きな翔ちゃんだった。
当たり前が嬉しくて、
思わず唇から好きが零れ落ちる。
だけどその本音は翔ちゃんに届くことなく、
心臓が飛び出すほどでかい爆音にかき消された。
和也「な、な、なに?!」
翔「びっ!くりしたぁ!…って!かず、あれ!」
和也「はあ…っ?!…あ!」
音のする方に視線をやると
真っ暗な画用紙に絵の具を散らした時みたいなチリチリとした点々が空を大胆に舞っていた。
もしかして…!そう胸を弾ませる俺の期待に応えるかのように、空高く昇り朴が星の海を泳いでいく。
一度潜って消えたところで、それは途方もなく大きな傘を開いた。
翔「うわ〜~〜綺麗〜~!!」
少しだけ、季節外れの9月の花火。
思わず息を飲むほどに輝く光の粒が
この大空に1つの大きな花を咲かせる。
