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君と僕の世界(嵐)

第5章 遊園地デート



翔「そんな怖い顔しないでよ、可愛いお顔が台無しだって。ほら、買ってきたから一緒に飲もう」


和也「んも〜…なんなの、これ?」


翔「ワインカクテルだって。海の底から魔女が出てくる様子をイメージした…って書いてあった」


和也「ふぅん…」


そのカクテルはだんだんと下に沈むにつれてブルー、ディープブルー、ブラックと、その上にぷかぷかと浮いている真っ白なバニラアイスとはまるで対照的なグラデーションの層ができている。
ディズニーならではのこれまた不気味でかつロマンティックなカクテルだ。


俺はそれを魔女の呪いを口にするおとぎ話の主人公のような気持ちで 乾いた唇にゆっくりと近づけた。


和也「ん、美味い!」


まろやかだけど柑橘の酸味が効いていて
その見た目とは裏腹にクリーミーな味わい。
度数もそんなに高くなくてこのまま一気に飲んでしまえそうなほど飲みやすい。


翔「口にあったようでよかった。ここが一番美味いって聞いたから。調べた甲斐があったよ」


翔「うぅ〜…それにしても明るいうちから飲む酒は最高だね〜。」


和也「現実忘れちゃうね〜こんな毎日がずっと続けばいいのにな〜」


俺たちの正体を誰も知らない異国の国で
翔ちゃんと手を繋いで歩いて、たまに喧嘩して、美味しいお酒をのんで仲直りして、そんでの〜んびり暮らす。3日間だけでもいいからそんな生活してみたいもんだ。


翔「それはきっと楽しいね〜…でも、いつか飽きちゃうんじゃないかなあ」


和也「何それ。翔ちゃんは俺に飽きちゃうの?」


翔「…語弊があった。俺はかずに飽きたりしないよ、飽きるのはかずの方だよ」


和也「えぇ。俺が翔ちゃんに飽きる?…ないない、それはない」


こんなに毎日ドキドキされっぱなしでさ、
恋愛ゲームかよ。それなら尚更こんな刺激的なゲーム、辞められるわけないじゃない


翔「…そう?こんなのんびりした毎日じゃ、かずはずーっと俺に構ってくれなきゃいけないんだよ?満足にゲームできないほど」


和也「げ、ゲームが…できない…。」


…その発想はなかった。1日11時間ゲームをしている俺が…果たしてそんな毎日耐えられるのだろうか。答えは即答、無理だ。

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