
君と僕の世界(嵐)
第5章 遊園地デート
今日は珍しくずっと触ってなかったiPhoneの電源を入れ、メモを開いた。
まずは…何を書こう。
和也「あ…。」
1度文字を打ってみたらそこからは案外簡単で、相葉さんに会ったこと、翔ちゃんにギザなセリフを言われて照れたこと、チケットを見せられた時の驚きと不安と興奮…。印象に残ったことをスラスラと打っていく。
…ざっとこんなもんだ。
とりあえず書き溜めて次は歌詞を綴っていく。
これは部分部分で、ワードとかフレーズとか
思いついたものを淡々とメモしていく感じ。
やっぱり今日という日は俺にとってかなりのスパイスになっているようで、息を吸うようにアイデアが浮かんでくる。スランプだったのが嘘みたいだ。
和也「あとは…」
ああ、どんどん歌詞が降りてくる。
俺はこの感覚が楽しくて、夢中になって画面にのめり込んだ。
そう気づいた時にはもう…遅かった。
翔「「あなたの瞼に私の影を残して」…「甘くて溺れそうになるけど」…。」
和也「っ!しょ、翔ちゃん?!」
翔「ふふ、よかった。俺ちゃんとお手伝いできてるみたいだね」
翔ちゃんの手には可愛いブルーのカクテルが2つ。
それを俺の前に置いて、反対側の椅子に腰かけた。
和也「ちょっと、勝手にみんなよ!」
翔「わわ、ごめんごめん。怒らないで。でも、それで歌作ってくれるんでしょ?…見ちゃダメなの?」
そういう問題じゃない。完成する前とした後じゃ話が違うんだ。これじゃあ当の本人に綴ったポエムを見られたのと大差ないじゃない。
和也「普通に…恥ずかしいから…。完成したら見せるから…」
翔「わかったよ、ごめんね。でも…ふっ、俺がしたこと、もれなく全部ドキドキしてくれてたんだね」
和也「そ、そこも見てたのかよ!」
翔「見えちゃったの〜ごめんごめん。はは、でも、可愛くって。俺、かずに愛されてんね〜」
…むかつく。次は絶対、翔ちゃんがいないところでメモしよう。せっかくアイデアが降りてきたところだったのに、今ので全部消えちゃったよ。
俺は急いでiPhoneを閉じて、そんな思いで翔ちゃんを睨みつけた。
