
君と僕の世界(嵐)
第5章 遊園地デート
冗談交じりに生意気なことを言ってみたら、
翔ちゃんの中のあのドS執事が顔を出した。
俺、あの役大好きだからずっとこのままでいてもらっても構わない。
好きな人から敬語使われるのっていいじゃん。
エロいじゃん。最高じゃん…。
翔「かず様、上の空ですが」
和也「えっ?!あ、ごめん。か、歌詞を考えてた」
翔「ここでかよ。まあいいけど。ほら、あれみて。」
ああ…。いつもの翔ちゃんに戻っちゃった。
これも好きだけどさ。
俺はそんな思いで翔ちゃんが指さす方をみた。
なんだか…人が集まってる。
俺はそれに少し恐怖を覚えながらも、
目を凝らしてその先を凝視する。
黒い…なにかが動いてる…
あれは…
和也「ミ!ミッキー!」
翔「当たり〜。ビジネスミッキー初めて見たでしょ?」
和也「ビジネスミッキー言うな。でも初めて見た…!」
一緒に踊ったりコラボしたことはもちろんあったけど こうやって仕事をしてるミッキーを見るのは新鮮だ。…こんなこと言ったら怒られるかな?
翔「人がはけてきたね、触ってきなよ。」
和也「殴ってくる!」
翔「だ、だめだよ!厳しいからねそういうの!」
翔ちゃんの言葉には耳も貸さず、俺はミッキーにダイブした…優しく。
和也「すげー!でけー!鼻動いてんじゃんなにこれー!」
翔「えぇ、すげぇ。進化してんじゃん」
俺はもぎる勢いで鼻を触ってみたが
痛い痛いと仕草をするだけで仕掛けが全くわからない。どうなってんだ。
…それにしても今のミッキーはプロ意識が高い。
もう中の人は完全にミッキーとして生きている気さえする。
和也「…ミッキーさんも苦労してるんスね…。」
翔「同じものを感じてんじゃねーよ」
スタッフ「はーい。お写真撮りますか〜?お手伝いしますよ!」
その姿に少し切なさを感じていたら
スタッフのお姉さんが俺たちに近づいてきた。
…気づいてなさそう、よかった。
翔「ああ、じゃあ、お願いしよっか?」
和也「ん、いいよー。」
撮影以外で撮られるのはちょっと気が引けるけど、これはデート。あとから見返してきっといい思い出になる。
翔ちゃんもきっと同じ思いで、ズボンに入ったiPhoneをお姉さんに渡した。
お姉さんは慣れた手つきで撮影を始める。
