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Happiness day

第28章 Crasy Moon ~キミ•ハ•ムテキ~

スケッチブックに影が落ちる

ふと見上げると、目の前にしおんが立っていた

「あ、ごめん…しおんの事、ほったらかしにしちゃったね」

どれくらいの時間が経ったんだろう
陽はかなり傾いていた

しおんはふるふると首を振ると、しゃがみ込み、砂浜に文字を書く

『一度きゅうけいしない?』

「うん、そうだね
しおんも疲れただろ?」

『ううん、大丈夫』

ニコッと笑う顔を見て、ホッとした

絵を描き始めると周りが見えなくなる

これが原因で付き合っていた彼女が怒ってしまい
それでも彼女との時間を優先させる事が出来なくて別れた

今なら少しわかる…

ふたりでいるのに、ひとりきりにさせられるなんて寂しいよな…

ふたりでいる意味がない

『じゃあ、なんで一緒にいるの?』って、ひとりでいる時以上に哀しくなるかも…

今、それをしおんにしてしまったかと思って
しおんに嫌われたかもと心配したのに、しおんは笑ってくれた

まぁ…俺としおんは恋人じゃないから
しおんも怒る必要がないと言えば、ないんだろうけど

しおんが、俺の仕事を理解してくれてるみたいにも思えて嬉しくなる

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