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Happiness day

第28章 Crasy Moon ~キミ•ハ•ムテキ~

しおんの緊張がほぐれたみたいだから、元の場所に戻ってスケッチブックを手にした

しおんも俺の意図を組んだのか、ひとりで浜辺で遊んでる

波打ち際で靴を脱いで、ワンピースが濡れないように指で摘み持ち上げる

足元を見て楽しそうに微笑んでいるのは
きっと、砂が波に攫われて行く感覚を楽しんでいるんだろう

俺も子供の頃、あの感覚が不思議で、堪らなく好きだった

そんなしおんの様子を撮影し、デッサンに取り掛かる

全体像と、パーツ毎に何枚か描いた所で手が止まった

やっぱり、この唇の形…見たことあるような…

唇を描いてる時に、コーヒーを飲んだ後のしおんの口元を見たことある気がしたのを思い出して
あの時のしおんの顔を記憶から呼び戻し描いてみた

いつどこで見たんだろう?

最近なのは間違いと思うんだけど
こんな魅力的な唇の持ち主、そうそういないよな…

鼻から上のパーツを手で隠し、絵を見ていると
なんとなく頭の中に浮かんでくる映像…

『よかった…ほんとに大丈夫そう』

この唇を見てそう思った…
なんでそんな風に思ったんだっけ?

あー…もうすぐそこまで答えが出かかってるのに…

この1ヶ月の間に会った女性の顔を思い出すも、当てはまりそうな人物がいない

俺って、こんなに記憶力悪かったかなぁ…

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