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Happiness day

第28章 Crasy Moon ~キミ•ハ•ムテキ~

彼女が不思議そうな顔をして、小首を傾げるのを見て
俺は、自分が無言で彼女を見つめ続けていた事に気が付いた

「あっ!ごめんなさいっ
あまりにも俺のイメージ通りの方だったので、ビックリしちゃって」

彼女は、ふくよかな唇を少し尖らせ、首を傾げる
その表情は『言われてる事がわからない』とでも言いたげに見て取れた

櫻井さんは言葉はわかるって言ってたのに…

「あの…俺の言ってる事わかりますよね?」

彼女はコクンと頷き、俺の腕を掴んだ

「えっ?」

俺の腕を掴んだまま、部屋の中へ進もうとする

「あっ!ちょっと待って、靴脱がないとっ」

そう言うと、彼女は慌てて手を解き、ペコペコと頭を下げる

その様子が可愛らしくて微笑ましい

靴を脱いで彼女の隣に立ち、彼女の手首を掴んだ

「お待たせ。さっ、行こうか」

今度は俺が彼女の手を引いて歩いた

いきなりこんな事したら怖がられるかな、って思って、彼女の様子を伺い見ると
それに気が付いた彼女が、こちらを見てニコっと笑ったから、ホッとした

それにしても、本当に笑顔が素敵な人だな…

下心はないって言ったけど
いざ、本人を目の前にして、外見だけじゃなく、内面も素敵な人だとなれば
惹かれてしまうのは仕方ない事だよな?

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